作業療法士として働いていると、看護師はもっとも関わることの多い職種です。
一緒に働いていると看護の大切さを感じ「看護師の資格を取得してみようかな」と思ったことはありませんか?
実際、作業療法士と看護師のダブルライセンスを取得される方もいます。作業療法士として働きながら看護師の資格取得は可能なのか解説していきます。

ダブルライセンスを取得するメリット
病院や介護施設では多職種が一緒に働き、それぞれの専門性を活かして、より良いサービスの提供を行っていきます。
しかし、職種が異なるとケアに関する考え方で衝突したり、どちらが仕事をするのかといった仲違いが起きてしまい、職種間の仲が悪いといった事態が起きてしまいます。
そこで職種間のキーマンとなるのが両者の資格を有しているダブルライセンス取得者です。お互いの気持ちや考え方を理解できるので、協働して働くことができるよう管理・運営をしていくことができます。
ダブルライセンスを取得すると管理者・役職に就きやすいことが大きなメリットでしょう。
看護師の取得は難易度が高い?
看護師の国家試験の合格率は80~90%台。
数字だけ見るととても簡単そうですが、学校での定期試験や実習をパスして受験資格を得るまでが大変です。
ただし、すでに作業療法士の資格を持っているので基礎的な医学的知識はあるはず。看護学校の授業や試験はそれほど難しくは感じません。
看護学校の定期試験や国家試験の難易度は低いと言って良いでしょう。
作業療法士として働きながら看護師の資格取得を目指すなら、勉強時間を確保する努力は必要になります。昼間は勤務、夕方から夜は授業に出ることになるので、睡眠時間を削って勉強する覚悟は必要です。
作業療法士として働きながら看護学校に通える?
作業療法士として働きながら看護師の資格を取得するには、看護専門学校の定時制に3年間通うことがもっとも一般的です。
この定時制には昼間コース(朝から夕方)・夜間コース(夕方から夜)の2種類があり、作業療法士として働くなら夜間コース一択になります。
夜間コースでも臨床実習中は働くことができないため、数ヶ月は無収入になることは覚悟しておきましょう。
また、准看護師の資格であれば2年の通学で取得可能です。准看護師を取得して7年間の実務経験があれば通信制課程の看護専門学校で勉強して看護師を取得する方法もあります。
裏技として、看護学校を運営している病院に勤めているならダブルライセンスの取得を応援してくれる場合があります。学費の免除であったり、実習期間中でも収入面で援助してくれたりと融通がきくので上司に相談してみるとよいでしょう。
看護学校に通うための学費
看護学校は大きく分けて通学コースと通信講座があります。さらに現役生を対象にしたコースや社会人・准看護師を持った人向けのコースなど条件によってコースが分けられているので学費は大きく異なります。
一般的には入学金は10~30万円、受講料は年間で50~60万円は最低でも必要です。
看護師と保健師の同時取得を目指すコースもあり、さらに学費は高くなります。
看護師の資格を取得すには最低でも200万円は蓄えが必要だと考えておきましょう。
また、看護学校は奨学金や学費が免除される推薦枠が充実しています。
各学校のホームページや事前説明会で詳しく内容を聞くことができるので事前調査や計画はしっかり立てておきましょう。
【まとめ】本当にダブルライセンスが必要なのか考えから行動しよう
作業療法士として働いていると「看護師って夜勤で稼げるし、仕事も楽そうだから良いなぁ」と考えることがありませんか?
楽そうだからという理由ではダブルライセンスの取得はおすすめしません。
看護師は決して楽な仕事ではなく、夜勤はとても疲れる仕事です。
また、看護師とのダブルライセンスを取得したからといって給料が大幅に上がる訳ではありません。
ダブルライセンスを取得するなら、しっかりと目的を明確にしておくことは必要です。
