作業療法士の国家試験には年齢制限はありません。
30代・40代・50代でも養成校に入学して作業療法士の資格取得を目指すことはできます。
私は3年時制の養成校の昼間部をしました。クラスの30%は社会人を経験していたり、大学を卒業してからリハビリの養成校に入学した人でした。
特に夜間部では社会人・大学卒の比率はさらに多いと思います。
私のクラスには46歳の同級生がいました。非常に勉強熱心な方だったので、難なく国家試験をクリア。現在は病院で働かれているそうです。
30代・40代・50代でも作業療法士を目指す人は実際にいます。そして無事に国家試験を取得して現場で活躍をされ続けています。
ただし、高校卒業の現役生を同じ環境で学んでいくため、ある程度の覚悟は必要です。
30代~50代の方はもちろん、社会人・大卒から作業療法士を目指す方はぜひこの記事を読んで自分に覚悟があるのか確かめてみてください。

膨大な医療用語を暗記する

作業療法士の授業カリキュラムでは1~2年次で医療用語をひたすら暗記していきます。
- 筋肉の名称や付着している部位
- 骨の名称
- 関節の名称
- 神経の名称
- 解剖・生理学のしくみ
- 運動学のしくみ
特に筋肉の名称は現役の作業療法士でも覚えきれないくらい膨大な量があります。
40代・50代であっても20代の現役生と同じように医療用語を暗記しなくてはなりません。
「歳をとったらなかなか暗記できないんだよね…」という話は聞きました。
暗記が苦手であれば、人並み以上に努力をしなくてはなりません。
家族を養いながら通学できるのか

現役生であれば、学費や生活費は親に支援してもらえます。
しかし、社会人・大学卒であれば生活費を自分で稼ぎながら養成校に通うことになります。
とくに家族や子供がいるのなら、配偶者がどれだけ協力してくれるのかも重要になります。
学費や生活費を奨学金でまかなうことはできますが、奨学金は借金なので返済しなければいけません。
借金をしてまで、本当に作業療法士になりたいのかよく考えてみる必要があります。
現役生に比べて就職しにくい

作業療法士の資格取得には年齢制限はありません。しかし、作業療法士の求人案件には年齢制限がある場合があります。
厚生労働省では年齢を理由に応募を断ったり、採用・不採用の理由にしてはいけないという規定があります。
しかし、実際の求人票を見てみると「長期キャリア形成のため、30代未満が望ましい」といった年齢制限を設けている場合もよくあります。
学力の成績が良くても、年齢で不採用になる場合があることは覚悟しておいてください。
就職しても学費以上の給料を稼げない

作業療法士の養成校は300万円以上の高額な学費が必要です。また、在学中はまともな仕事に就けないため生活費の工面も大変です。
そのため、40代・50代で養成校に入学した場合、作業療法士として就職ができても給料で学費を回収できないかもしれません。
資格でも働ける仕事で勤務を続けた方が生涯収入がプラスになる可能性もあります。
どうしても作業療法士で働きたいなら問題ないですが、収入アップを目的に資格取得を目指すのなら生涯年収がプラスになりそうなのか考えてみましょう。
