作業療法士は病院や施設など臨床業務に就くことがほとんどですが、作業療法士を教育する養成校の教員になる道もあります。
教員になる方法は、専門学校と大学で大きく異なります。
専門学校の教員は人脈が大事。
大学の教員は実績と研究が重要視されます。
新人の時点で専門学校の教員を目指すなら、養成校を経営しているグループ病院に就職しましょう。大学で教員を目指すなら、大学院まで進んで博士号を取っておくと教員への道が開かれます。
専門学校の教員と大学の教員になる方法をさらに詳しく解説していきます。

【作業療法士】専門学校の教員になる方法
まず、養成校の教員には教員免許は必要ありません。作業療法士の資格さえあれば養成校の教員として働くことができます。
専門学校の教員は稀にハローワーク等で求人が出ることがありますが、教員として採用されるほとんどは人脈です。
とくに養成校の系列グループに病院があるなら、病院に勤務している作業療法士がそのまま教員として異動するケースがほとんど。
つまり、教員になりたいなら養成校をもっている病院へ就職することが教員になる最大の近道です。
専門学校の教員は大学の学位や研究・論文は特に必要ありません。病院でそれなりの業務をこなし、人脈さえあれば教員になれます。
【作業療法士】大学の教員になる方法
大学の教員は専門学校よりも遥かに難しいです。人脈に加えて、研究と実績が必ず必要です。
まず、博士号の取得は必須です。
修士号だけで教員になれる人もたまにいますが、研究や実績、作業療法士に関する活動が顕著に認められた人だけ。
博士号を取得しているということは、作業療法に関する研究分野において最大限の能力を有していることが認めれている証明になります。
大学で教鞭を執るのであれば、人の上に立てるくらいの証拠がないと難しいのです。
さらに研究の結果が世の中に認められることも必要です。多くの論文を残して、人から認められないと教員として採用はされません。
最後に、大学の教員もやっぱり人脈の構築は必須です。
大学の教員を公募する際、大学関係者に知り合いがいればあなたのことを推してくれることは間違いありません。
公募ではありますが、実績だけ残していても、見ず知らずの人間を採用する可能性は低いでしょう。
大学関係者、作業療法士の協会役員や著名人と人脈をもっておくことで公募の際に推薦されやすくなります。
学校の教員になるメリット・デメリット
私の同期で、実際に養成校の教員になった友達(Sさん)がいます。作業療法士が教員になるメリット・デメリットを伺ったので紹介します。
作業療法士が教員になるメリット
- 学生が成長する過程に感動する
- 作業療法士の仲間が増える
- 病院に比べて給料が良い
教員になる最大のメリットは、学生の教育に携われる点でしょう。少しずつ成長する過程を見ると、自分も嬉しく感じますよね。
作業療法士という繋がりは学生の卒業後も続くので、立派に仕事をしている教え子に会えるのは感慨深いです。
また、作業療法士の教員は病院などに比べて給料が高い傾向にあります。安定した給料が振り込まれるので、お金に悩むことが少なくなるでしょう。
作業療法士が教員になるデメリット
- 勤務時間が長い
- 常に自己研鑽が必要
- 私生活のトラブルにも介入する場合も
教員のデメリットはなんといっても勤務時間が長いことです。授業の内容を考えてたり、テストの作成などで残業は当たり前。学生が質問に来れば「もう仕事終わったから、また明日ね」なんて言えないので、サービス残業になる場合も多いでしょう。
また、学生に指導できるよう自己研鑽は常に必要です。勤務時間外でも勉強する時間が必要なので、プライベートな時間が少ないです。
絶対に教員になりたいなら専門学校がおすすめ
あなたが作業療法士の教員になりたいなら、専門学校の教員がおすすめです。
論文などの実績が必要ないので経験が浅くても採用してくれる可能性が高いでしょう。
教員の募集はマイナビコメディカルなどの転職エージェントで求人募集されることがあります。「教員の募集があれば案内してほしい」と希望しておくことも可能なので、教員へ転職するなら、まず転職エージェントに登録しておきましょう。
