作業療法士

日本作業療法士協会に入らないメリット・デメリット。継続するべき?

作業療法協会

作業療法士の資格をもっているなら「作業療法士協会に入ってほうがいいの?」と悩んだ経験はありませんか?

すでに作業療法士協会に入っていても「高い年会費を払ってまで入るメリットがないから辞めようかな…と思われている人もいるはずです。

 

私は10年ほど協会に加入していましが、会費分の恩恵を感じなくなったので退会しました。

この記事では作業療法士協会に入るメリットやデメリット、高額な年会費を免除する方法を紹介します。

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作業療法士協会に所属している割合は67%

作業療法士協会は日本作業療法士協会各都道府県の作業療法士協会の2種類があります。

一般的には日本作業療法士協会に所属した上で、働いている都道府県の作業療法士協会に所属します。

 

もちろん、協会への入会は任意であり、強制ではありません。

また、日本作業療法士協会には所属しているけど、都道府県の作業療法士協会には入らないという選択も可能です。

 

作業療法士の有資格者数は全国で約85,000人ですが、そのうち日本作業療法士協会に所属している人は57,000人。

作業療法士の約67%が日本作業療法士協会に所属していることになります。(2018年のデータ)

 

ちなみに、他の医療職が作業療法士協会のような職能団体に所属している割合は以下のとおり。

  • 医師会に所属している医師▶約57%
  • 看護協会に所属している看護師▶約50%

他の医療職に比べて、作業療法士が協会に所属している割合が高いと言えますね。

 

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作業療法士協会の入会率は減少している

67%という高い入会率となっている作業療法士協会ですが、入会している会員は徐々に減少しています。

作業療法士-推移

▲グラフ上部の赤色の点線が協会の入会率。有資格者は年々増えているが、作業療法士協会への入会者は2005年あたりから減少している。

 

作業療法士協会への入会率が減少している理由は協会に所属するメリットを感じていない有資格者が増えているためと考えられます。

作業療法士協会の年会費は約24,000円

作業療法士協会に入会するには最大で約24,000円の年会費を支払う必要があります。

金額の内訳はこちら。

  • 日本作業療法士協会 年会費 約12,000円
  • 各都道府県の作業療法士協会 年会費 約10,000円
  • 世界作業療法士連盟(WFOT) 年会費 2000円

※各都道府県の作業療法士協会は年会費が異なります。(たとえば、埼玉県は7,000円)

 

年会費に加えて、学会や研修会への参加費は別途必要になります。協会非会員に比べて、協会に加入すれば1000円~半額程度は参加費が安くなるメリットがあります。

 

学会や研修に参加しない有資格者にとっては最大24,000円も年会費を支払う必要性を感じるはずがありません。

高額な年会費は協会から離脱する人が増えている原因のひとつであることは間違いなさそうです。

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作業療法士協会に入会するメリット

作業療法士協会に入会するメリットは4つあります。

  • 学会や研修への参加費が安くなる
  • 認定や専門という肩書きがもらえる
  • 職場での評価が上がる
  • 冊子が送られてくる
  • 作業療法士の広報活動に対する援助ができる

 

自己研鑽や作業療法士の広報活動をしたいのなら非常に大きなメリットを得られます。

学会や研修への参加費が安くなる

作業療法士になると会員価格で全国各地で行われる研修や学会に参加できます。

 

リハビリ関係の研修会は参加費が高額。実技系の研修会は半日で10,000円を超えることも珍しくありません。

協会が主催する研修は3,000円程度の低価格なものが多く、自己研鑽に励みたい作業療法士にはお得だと思います。

専門・認定を取得することで評価が上がる

指定の研修参加や学会発表などをクリアすると専門作業療法士認定作業療法士という肩書きが貰えます。

専門性をアピールできるため、役職へのステップアップや転職で有利になります。

 

もちろん自己研鑽の一環として専門や認定を目指すのも良いでしょう。

ただし、現在の規定では、専門や認定は協会が定めているだけの肩書きです。取得したからといって診療報酬が上がったり、施設の管理に人員が必要ということはありません。

 

診療報酬が上がる認定看護師や専門看護師に比べれば市場価値が低いことは覚えておくべきだと思います。

作業療法士協会に入会するデメリット

「作業療法士協会に入会するメリットを受けることができない」ということがデメリットになります。

 

あえて言えば、協会に入らないことで職場内で浮いてしまう存在になる可能性があります。

 

回復期病院などのリハビリに力を入れている職場は協会に入会するのが当然という風潮があります。

協会に入っていない=やる気がない

と思われることは避けられません。

 

けれども、協会に入っていない理由が明確に説明でき、協会活躍以外で自己研鑽をしているのなら入会する必要はないと思います。

昔のような半強制的に入会するという流れは徐々に減ってきていると思います。

 

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年会費が免除される方法

日本作業療法士協会は一時的に年会費が免除される休会という制度があります。

休会すると協会のメリットを全て受けられなくなりますが、研修会や学会への参加履歴などは残るので、休会を解除すれば継続して協会活動を続けることができます。

休会は最大5年間まで続けることが可能です。(1年毎の休会更新が必要)

 

このような人は休会制度を利用して退会したときのシュミレーションをしてみましょう。

  • 協会を退会したいけど、職場から浮くことが怖い
  • 子どもが小さいから研修に行けなくなった
  • とりあえず休会して、協会加入が必要なのか考えたい

 

この休会制度は日本作業療法士協会だけにある制度です。

都道府県の作業療法士協会は休会制度がない協会もあるので、所属している協会のHPを確認してみてください。

【まとめ】協会に入らない選択肢もある

私は資格を取得して11年目になりますが、新人の頃は作業療法士なら協会に所属することが当然という風潮がありました。

養成校でも「就職した後は必ず協会に入ってください」と説明されたことを覚えています。

 

確かに昔は協会に入るしか自己研鑽をする方法がなかったかもしれません。しかし最近は、質の高い書籍が出版されたり、民間の事業者が開催している研修会も増えました。

協会に入らなくても自己研鑽できる手段はあるので、周囲の人に合わせて協会に入る必要はないと思っています。

 

協会に入会するのか悩んでいるのであれば、周りがみんな所属しているからではなく、会費を払ってまで自分にメリットがあるのかを考えて入会するのか考えてみてください。

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