作業療法士として働きだすと学生時代にはなかった責任感や苦労を感じることが多いですよね。
働きだして3ヶ月もすれば仕事の内容もおおまかに理解できるようになり、作業療法士が自分に合っている仕事なのか判断ができます。
「患者さんが回復していく姿を見るとやりがいを感じる」「もっと勉強して技術を極めた」と感じる人がいる一方で、自分には作業療法士は合っていないかも…と感じる人もかなりいます。
私の同期だったYさんという作業療法士からこのような相談を受けました。
リハビリって何したらいいのかわからない。
患者さんからはマッサージの希望が多くて、リハビリをしている実感が湧かない。
他の病院に勤めている同期はすごく勉強しているし、自分だけが取り残されているような感じがして将来が不安…。
Yさんは入社してちょうど3ヶ月を過ぎた頃でした。仕事にやりがいを感じられず、他の仕事に転職をしたいけど1年目から作業療法士を辞めてもいいのか悩んでおられました。
結局、Yさんは冬のボーナスがもらえる1年目の12月末で退職。
退職してから半年後にYさんとお会いしたのですが、現在はヨガトレーナーとして働いており、充実感のある毎日を過ごしているとのことでした。
転職して正解だったというお話を聞く中で、当時新卒1年目で辞めるまでの心境や退職までの出来事がとても印象に残ったのでご紹介していきます。
作業療法士という仕事にやりがいを感じられなかった
Yさんは就職した病院は新卒者に人気のある回復期病院でした。
たしかにリハビリ技術を学ぶには最適かもしれませんが、入院している患者さんのほとんどは高齢者。「足をマッサージしてほしい」や「腰を揉んでほしい」といった機能回復ではなく癒やしを求められたそうです。
患者さんに言われるがままマッサージをしたそうですが、「自分ってマッサージ師になったんだっけ?」と不安に思ったそうです。
実際、臨床の現場では機能回復ではなくマッサージ等の回復する見込みがない治療が求められることが多く、この仕事を定年までやり続けるのかと将来を不安に思う方が多いです。
人間関係が不安。上司に怒られる
作業療法士や理学療法士は自分の技術や知識に過剰な自信をもっている人が多い業界です。
Yさんも入社当初から「こんなことも知らないの!?」と自信過剰な上司から怒られることが何度もあったそうです。
怒られることが怖いため、わからないことを質問することができない。そして仕事についていけなくなるという負の連鎖が起こってしまいます。
あなたの職場にはこんな上司はいませんか?
- 質問するとなぜか怒られる
- お気に入りの部下には優しく、自分には冷たい態度をとる
- 部下に教える気がない
こんな上司がいると本当にストレスが溜まりす。その結果、お酒やギャンブルでストレスを解消したり、うつ状態になる作業療法士も少なくありません。
自分の考え方は変えることができますが、自分の力で上司や職場環境を変えることはできません。
もし、今の職場に気に入らない上司がいるのなら転職して環境を変えないと現状打破は難しいでしょう。
理学療法士や看護師との関係も面倒
人間関係は上司や部下だけでなく、理学療法士や看護師といった他職種とも人間関係を構築していかなくてはなりません。
職種によって考え方や意見が異なるため「リハビリと看護の仲が悪い」なんて職場も少なくありません。
同じリハビリ職である理学療法士とも関係性ができていない職場もあり、影で悪口を言い合ってる場面をみると自分も影で悪口を言われているんじゃ…と不安を感じてしまいます。
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求人情報では記載されていなかった残業
求人情報や面接で「残業が月に5時間程度あり」と説明されていたのに、実際に就職すると毎日2~3時間の残業(月に40時間以上)があったというケースは珍しくありません。
Yさんの職場はリハビリの記録を入力するパソコンが数台しかなく、上司のパソコン入力が終わらないと新人は記録を入力することができなかったそうです。
そのため、自分の記録入力が終わるのは毎日19時~20時。基本的に残業が出ない職場だったので残業代は0円でした。
他にも作業療法士はこのような仕事が残業になります。
- 日々のリハビリ記録入力、計画書や報告書
- 新人は早く出勤して掃除
- 夏祭りやクリスマス会などイベンド準備
もちろん、すべての職場で残業があるわけではなく、残業がほとんどないホワイト企業もあります。
今あなたが勤務している職場で残業が多くても、他の職場へ転職すれば今まで残業していたことが馬鹿みたいに感じるはずです。
強制参加の勉強会
作業療法士をはじめとする医療職は業務が終わった後に勉強会を実施します。
このような勉強会は自主参加という名目で残業代が出ない職場がほとんど。
自主参加といいながらも実際は強制参加であることが多く、回復期病院など自己研鑽の意識が高い職場では毎週のように勉強会に参加しなければならない職場もあります。
帰宅が遅くなれば、夕食を済ましてお風呂に入るともう寝ないといけないので自宅と職場の往復といったやりがいのない毎日になってしまいます。
新卒1年目で辞めたいときに実行するべき行動
新卒1年目で辞めたいと思ったときは2パターンの行動をとることができます。
- 周囲に相談する
- 求人情報を集める
どちらの選択肢もやり方によってはさらに職場に居づらくなる可能性があるため、自身の発言や行動には注意して行動するようにしてください。
新卒1年目で辞めて成功した人もいる
作業療法士は専門職なので自分に合う・合わないがはっきりと分かれる職業です。
やりがいを感じないのであれば、自分に合っていない可能性が高いかもしれません。
定年までの約30年間、作業療法士として働いていけるのかをいま一度考えてみてください。
Yさんのように作業療法士から他の職業に転職して成功した人もいます。
人生は1度しかありません。
作業療法士以外の道も選択肢も視野に入れて行動をしてみてください。
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