訪問リハビリは大まかに分けると2種類あり、病院からの訪問と訪問看護ステーションからの訪問があります。
訪問看護ステーションは医師の常駐は必要なく、看護師を配置すれば開設できることから訪問看護ステーションの求人案件はとても多いです。
「訪問リハビリは給料が高い」と言われいますが、実際の給料相場や公休数・有給のとりやすさを解説します。
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訪問看護の給料相場は高いが地域差あり
大阪・東京といった都市圏のハローワーク求人を見てみると、訪問看護ステーションの求人が非常に多く、月給30万円や時給3,000円を超える案件が複数ありました。
訪問リハビリは病院や介護施設に比べて給料相場が高い分野です。
訪問看護は以下の理由から利益が出やすい業態です。
- 報酬単価が高い
- 必要経費が少ない
- 少ない人員でも稼働できる
- パート勤務が多い
利用者さえ確保できれば利益が出るのですが、開設のしやすさから訪問看護ステーション数は全国的に激増。
地域によっては訪問看護ステーションが飽和し、なかなか利用者が集まらずに倒産するステーションもあります。関連記事▶作業療法士【OT】は人手不足って本当?需要が高い狙い目の地域・都道府県はどこ?
画像引用:全国訪問看護事業協会
「訪問だから給料が高い」という思い込みは禁物。
月給は高いけどボーナスがなかったり、年間の公休数が100日以下という求人案件もあるので求人票はすみずみまで確認するようにしましょう。
訪問手当と訪問数で給料が変動
訪問は給与形態が少し特殊です。
常勤(フルタイム)の場合、基本給や資格手当など固定している項目の他に訪問手当という項目がついている職場がほとんどです。
訪問手当ては訪問1件につき200~1,000円ほどの手当てをつけるという制度。1件あたりの金額は職場によってさまざまで、1件500円以上あればかなり恵まれている職場だと思います。
1日中訪問の仕事が続けば1ヵ月では100件を超えてきます。訪問手当てが1件500円なら5万円が給料に上乗せされるので、給料がかなり違ってきますよね。
非常勤(パート)勤務の場合、時給計算ではなく訪問1件につき3,000円といった歩合制をとっている職場もあります。
利用者の自宅へ直行直帰が認められていることがほとんどなので、自分のペースで仕事がしやすいというメリットがあります。
訪問看護は休みや有給が取りにくい
訪問看護ステーションは希望する日の公休や有給が取りにくい業態です。
病院であれば自分が休んでも他のスタッフが代わりに対応してくれますが、訪問の場合は自分しか行けない利用者がでてくるので、訪問が1件でもあればその日は公休が入れにくいというデメリットがあります。
もちろん、利用者との合意があれば別の曜日に訪問をずらすこともできるので、ある程度仕事に慣れてくると訪問日をずらして有給を入れたりなんかは可能です。
どちらにせよ、スタッフ数が豊富な病院に比べて訪問看護は休みにくい分野であることは間違いないでしょう。
条件の良い訪問看護ステーションを探すコツ
訪問看護ステーションは小規模でも稼働できるため運営方針や契約内容がテキトーという求人案件もあります。
面接では必ずボーナスを出すと言っていたのに、実際には経営不振を理由にボーナスがカットされたという話も聞いたことがあります。
いつ見てもハローワークに掲載されているような求人案件は何か原因があって人材が集まりにくいと考えましょう。
また、面接のときは1ヵ月の平均訪問数を質問してください。
1ヵ月の訪問数が100件を超えるくらいがベスト。140件を超えてくると1日あたり7件の訪問がある計算なので、書類業務をする時間がないくらいかなり忙しいです。
逆に1ヵ月の訪問数が50~80件ではとても暇です。基本給が高ければ問題はないですが、訪問手当が期待できないので要注意です。
求人票に記載されている内容と実際の仕事内容は必ずしも一致するわけではありません。
求人票には都合の悪いことは書かれていないため、できれば職場の内情を把握しておきたいところです。
求人票には記載されていない内情を知るには転職エージェントを活用してみましょう。自分からは質問しにくいことでも担当者があなたの代わりに質問してくれます。
また、過去にその職場に就職した作業療法士からの情報をもっていることがあるので、意外な情報も手に入れることができるかもしれません。